オフィスでの胡蝶蘭の育て方完全ガイド|開店祝いにもらった花を長持ちさせる秘訣

「開店祝いに立派な胡蝶蘭をいただいたけれど、オフィスでの育て方が分からなくて困っている…」そんな経験はありませんか?
胡蝶蘭はデリケートなイメージがあるかもしれませんが、実はポイントさえ押さえれば、オフィスのような環境でも比較的簡単に、そして長く美しい花を楽しむことができるのです。この記事では、お祝いでいただいた大切な胡蝶蘭をオフィスで上手に育てるための具体的な方法を、分かりやすくご紹介します。ぜひ最後までお読みいただき、参考にしてください。
お祝いでもらった胡蝶蘭のオフィスでの育て方 基本編

せっかくお祝いでいただいた胡蝶蘭、できるだけ長く美しい状態を保ちたいものですよね。一見、手入れが難しそうに思えるかもしれませんが、胡蝶蘭は頻繁な水やりや肥料を必要としないため、ポイントを押さえればオフィスでも手間をかけずに育てることができます。まずは基本的な育て方から見ていきましょう。
はじめに:ラッピングと立て札の扱い
お祝いでいただく胡蝶蘭には、華やかなラッピングが施され、贈り主の名前が書かれた立て札が付いているのが一般的です。個人間でいただいた場合は、通気性を良くするために、できるだけ早くラッピングを外すのが理想です。
しかし、会社やお店など、ビジネスシーンでいただいた場合は少し異なります。立て札は、どなたからお祝いをいただいたかを示すだけでなく、贈り主との良好な関係性や人脈を周囲にアピールする意味合いも持ちます。そのため、一般的には**立て札は1週間程度は付けたまま**にしておくのが良いでしょう。ラッピングについては、通気性を考慮しつつ、見栄えとのバランスで判断します。数日程度であればそのままでも問題ありませんが、長期間そのままにしておくのは避けましょう。
では次に、オフィスでの置き場所について解説します。
オフィスでの最適な置き場所は?
胡蝶蘭をオフィスで育てる上で、置き場所は非常に重要なポイントです。
最初の1週間:お披露目と感謝の期間
いただいた最初の1週間程度は、お祝いムードを演出し、贈り主への感謝を示す意味も込めて、来客の目にも触れやすい場所に飾るのが一般的です。この期間であれば、必ずしも胡蝶蘭の生育に最適な環境でなくても、すぐに枯れてしまうことはありませんのでご安心ください。ただし、極端な高温や低温、直射日光、エアコンの風が直接当たる場所は避けましょう。
1週間後以降:生育に適した場所へ
お披露目の期間が過ぎたら、胡蝶蘭が健やかに育つための環境へ移してあげましょう。
- 光の条件:胡蝶蘭は直射日光に弱いため、窓際に置く場合はレースのカーテンやブラインド越しに柔らかい光が当たる場所を選びます。全く光が当たらない暗い場所も生育には向きません。
- 風通し:空気がよどんだ場所は避け、適度に風通しの良い場所が理想です。ただし、エアコンや扇風機の風が直接当たる場所は乾燥を招くためNGです。
- ラッピングと立て札の除去:このタイミングで、ラッピング材は全て取り外しましょう。通気性が格段に良くなり、過湿による根腐れのリスクを減らせます。立て札も、長期的に飾る場合は外すか、目立たない場所に移動させても良いでしょう。
- 受け皿:鉢の底から水が流れ出るため、必ず受け皿を敷いてください。
次に、オフィス環境での温度・湿度管理について見ていきましょう。
オフィスでの温度・湿度管理のコツ
適切な温度
胡蝶蘭の生育に適した温度は、一般的に22℃前後とされています。多くのオフィスでは空調が効いているため、日中の温度管理は比較的容易かもしれません。注意したいのは、夜間や休日など、空調が停止する時間帯の温度変化です。特に冬場、夜間に室温が大幅に下がる場合は、窓際から部屋の中央へ移動させるなど、寒さ対策を施しましょう。
適切な湿度
胡蝶蘭は、原産地の環境に近い50%程度の湿度を好みます。オフィス内は空調によって乾燥しやすいため、特に注意が必要です。
- 冬場の乾燥対策:暖房で空気が乾燥する冬場は、胡蝶蘭の葉の表裏に霧吹きで水をかける「葉水(はみず)」をこまめに行いましょう。
- 夏場の乾燥対策:冷房が効いている夏場も、意外と空気は乾燥しています。同様に葉水を行うことで、胡蝶蘭の健康を保ちやすくなります。
続いて、最も失敗しやすい水やりの方法について解説します。
オフィスでの水やりの基本と注意点
水やりの頻度と量
胡蝶蘭の水やりの基本は、「植え込み材が完全に乾いてからたっぷりと」です。頻度の目安としては、7日~10日に一回程度、一株につき200ml(一般的なコップ一杯分)程度が適量です。
「一株」の判断が難しいかもしれませんが、贈答用の胡蝶蘭は通常、複数の株が一つの鉢に寄せ植えされています。一般的に、花が付いている茎一本が一株に相当しますので、これを基準に水量を調整してください。
水のあげすぎは厳禁!
胡蝶蘭を枯らしてしまう原因として最も多いのが、実は「水のあげすぎ」による根腐れです。胡蝶蘭の根は、植え込み材(水苔やバークなど)に包まれていますが、これが常に湿った状態だと根が呼吸できずに腐ってしまいます。必ず、植え込み材の表面だけでなく、内部まで乾いたことを確認してから水を与えるようにしましょう。指で植え込み材を触ってみて、湿り気を感じなければ水やりのタイミングです。
胡蝶蘭は元々、少ない水分でも生育できる丈夫な植物です。水のあげすぎを心配するよりは、「少し乾燥気味かな?」くらいの方が元気に育つことが多いと覚えておきましょう。
受け皿の水は必ず捨てる
水やりをした後、鉢の底穴から流れ出た水が受け皿に溜まります。この溜まった水は、必ずすぐに捨ててください。そのままにしておくと、鉢底が常に水に浸かった状態になり、根腐れを引き起こす直接的な原因となります。
POINT - オフィスでの胡蝶蘭管理の基本
- ラッピングや立て札は、お披露目期間(約1週間)が過ぎたら通気性のために外すのが望ましい。
- 置き場所は、直射日光を避け、レースカーテン越しなどの柔らかい光が当たる風通しの良い場所へ。
- エアコンの風が直接当たらないように注意する。
- 水やりは「植え込み材が完全に乾いてから」。あげすぎないように「少なめ」を意識する。
- 受け皿に溜まった水は、その都度必ず捨てる。
次に、季節ごとのより具体的な管理方法について見ていきましょう。
季節ごとのオフィスでの管理方法
オフィス環境は一年を通して空調が効いていることが多いですが、それでも季節による日照時間の変化や、業務時間外の温度変化は胡蝶蘭の生育に影響を与えます。特に夏場の暑さと冬場の寒さへの対応が、長く楽しむための鍵となります。
春(3月・4月・5月)
置き場所
春は胡蝶蘭にとって比較的過ごしやすい、理想的な季節です。引き続き、直射日光を避けたレースカーテンやブラインド越しの明るい窓際に置きましょう。
水やり
7日~10日に一回、一株につき200ml(コップ一杯)程度が目安です。必ず植え込み材がしっかりと乾いてから水やりをしてください。指で軽く押してみて、水分が出てこなければ乾いているサインです。
温度・湿度
多くのオフィスでは22℃前後に保たれていることが多く、胡蝶蘭にとっては快適な気温です。特別な加温や加湿は不要な場合が多いですが、極端に乾燥している場合は適宜葉水を行いましょう。
夏(6月・7月・8月・9月)
置き場所
夏場も日当たりは必要ですが、直射日光は絶対に避けてください。レースカーテン越しでも日差しが強すぎる場合は、窓から少し離すか、日中の数時間だけ光に当て、その後は室内の涼しい場所へ移動させるのも良いでしょう。業務時間外にエアコンが停止し、室温が急上昇することが予想される場合は、できるだけ風通しの良い場所に置くように心がけてください。
水やり
夏場は植え込み材が乾きやすいため、他の季節よりも水やりの頻度は増えます。2~3日に一回程度、一株につき500ml程度とやや多めに与えます。ただし、この場合も必ず植え込み材の乾き具合を確認してから行うことが大前提です。
温度・湿度
夏場の高温には注意が必要です。オフィス内は冷房が効いているため日中の温度は管理しやすいですが、夜間や休日に室温が30℃を超えるような状況は避けたいところです。冷房で空気が乾燥している場合は、こまめに葉水をして湿度を補いましょう。
秋(10月・11月)
置き場所
引き続き、直射日光の当たらない、レースカーテンやブラインド越しの窓際に置きます。日差しが和らいできますが、油断は禁物です。
水やり
春と同様、7日~10日に一回、一株につき200ml(コップ一杯)程度が目安です。植え込み材の乾き具合をしっかり確認しましょう。気温が下がるにつれて、徐々に水やりの間隔をあけていきます。
温度・湿度
日中は過ごしやすい気候ですが、朝晩は冷え込む日も出てきます。オフィスでは日中エアコンが稼働している場合、その温度設定で問題ないことが多いです。乾燥してきたと感じたら葉水をしましょう。
冬(12月・1月・2月)
置き場所
冬場は特に置き場所に注意が必要です。日中はレースカーテン越しの窓際で日光浴をさせても良いですが、夜間や早朝は窓際が非常に冷え込みます。室温が10℃以下になるような環境は胡蝶蘭にとって厳しいため、夜間は窓際から離し、部屋の中央など、冷気が直接入り込まない比較的暖かい場所へ移動させましょう。
水やり
冬場の水やりは極力控えます。最高気温が15℃を下回るようになったら、水やりの頻度を大幅に減らし、1ヶ月に一回程度、200ml程で十分です。水を与える際は、冷たい水ではなく、人肌程度のぬるま湯を使いましょう。
温度・湿度
日中はエアコンで室温が保たれていても、夜間や休日に空調が止まり、室温が10℃以下に下がることが予想される場合は、前述の通り置き場所を工夫するほか、段ボールで囲ったり、ビニール袋を被せたりするなどの保温対策も有効です。冬場は非常に乾燥するため、葉水はこまめに行い、湿度を保つようにしましょう。
愛情が注がれた当店の胡蝶蘭

当店で販売している胡蝶蘭は、障がい者の方々が、誠心誠意、真心を込めて育てており、売り上げは障がい者の方々の給料として反映され所得増加につながります。
フィルグリーンの胡蝶蘭は障がいを持った方々が栽培しています。
オフィスでの胡蝶蘭 育て方のポイントまとめ

最後に、オフィスで胡蝶蘭を育てる際の重要なポイントを改めて確認しましょう。
オフィスでの胡蝶蘭育成 要点チェック
- 最初の1週間程度は、お祝いとして目立つ場所に飾ってもOK(ただし極端な環境は避ける)。
- その後は、直射日光の当たらない、明るく風通しの良い場所へ移動する。
- エアコンの風が直接当たらないように細心の注意を払う。
- 水やりは「植え込み材が完全に乾いてから、控えめに」が鉄則。
- 季節ごとの水やり目安:基本は7~10日に1回200ml程度、夏場はやや多め・頻度高め、冬場は月1回200ml程度。
- 受け皿に溜まった水は、根腐れ防止のため必ずすぐに捨てる。
- 温度・湿度管理は、特に夏場の高温と冬場の低温・乾燥に注意。夜間や休日のオフィス環境を考慮する。
- 冬場の夜間など、室温が10℃以下になる場合は、部屋の奥へ移動させるなどの保温対策を行う。
いかがでしたでしょうか?お祝いでいただいた胡蝶蘭は、適切な手入れと管理を行えば、美しい花を1ヶ月以上、時には3ヶ月ほども楽しむことができます。この記事を参考に、オフィスでも華やかな胡蝶蘭を長く楽しんでいただければ幸いです。