初心者にもできる!胡蝶蘭の葉が黄色くなる原因と正しい対処法
大切な胡蝶蘭の葉が黄色い…どうすればいい?
胡蝶蘭を愛情込めて育てていると、ある日ふと葉が黄色くなっていることに気づくことがあります。「病気かもしれない…」「もうダメなのかな…」と心配になりますよね。でも、諦めるのはまだ早いかもしれません。
この記事では、胡蝶蘭の葉が黄色くなる主な原因と、それぞれの状況に応じた具体的な対処法を、初心者の方にも分かりやすく解説します。ここで紹介する方法を実践していただければ、あなたの胡蝶蘭を再び元気にし、健康的に長く育てることができるはずです。ぜひ、最後までお読みください。
それでは、葉が黄色くなってしまう原因と、それぞれの対処法を詳しく見ていきましょう。
葉が黄色くなる主な原因とそれぞれの対処法
胡蝶蘭の葉が黄色くなる原因は一つではありません。主なものとしては、葉の自然な寿命、病気、あるいは葉焼けなどが考えられます。それぞれの原因を見極め、適切な対処をすることが重要です。
まずは、最も一般的な原因である「葉の寿命」によるものから見ていきましょう。
原因1:寿命によるもの
胡蝶蘭の葉は、新しい葉が株の中心部から上へ上へと重なるように生えてきます。そのため、株元に近い下の方にある葉は、相対的に古い葉ということになります。
もし、このような下葉が一枚だけ黄色くなってきた場合、それは葉の自然な寿命である可能性が高いです。寿命を迎えた葉は、徐々に黄色く変色し、水分が抜けて薄くなり、やがてシワシワになっていきます。葉全体が均一に黄色くなっていくのが特徴です。
対処法
葉の寿命による自然な生理現象ですので、特別な対処は必要ありません。葉が完全に枯れて茶色くなり、軽く引っ張るだけで取れるようになるまで、そのままにしておきましょう。完全に枯れる前に無理に引きちぎろうとすると、株を傷つけてしまう可能性があるので注意してください。
ただし、黄色くなっている部分が葉全体ではなく部分的であったり、複数の葉が同時に黄色くなったりする場合は、寿命以外の原因(病気や環境要因など)が考えられますので、注意深く観察が必要です。
次に、直射日光が原因となる「葉焼け」について見ていきましょう。
原因2:葉焼けによるもの
胡蝶蘭の葉が黄色くなるもう一つの一般的な原因に「葉焼け」があります。葉焼けは、黄色だけでなく茶色っぽく変色することもあります。症状が進行すると、葉が乾燥してパリパリになったり、白っぽく抜けたり、あるいは黒く焦げたようになったりします。
葉焼けは、部分的ではなく葉の広範囲、時には葉全体に症状が現れることがあります。葉の寿命による変色との主な違いは、葉焼けは株の下葉に限らず、どの位置の葉にも発生しうるという点です。主な原因は、強すぎる直射日光に長時間さらされることです。
対処法
- 置き場所の変更:まず、直射日光の当たらない、明るい日陰や室内のレースカーテン越しの場所へ速やかに移動させましょう。
- 患部の処置:葉の変色した部分が比較的小さければ、その部分だけを清潔なハサミ(ライターの火などで刃先を消毒したもの)で切り取り、症状の拡大を防ぎます。変色が広範囲に及んでいたり、葉の大部分が変色してしまったりしている場合は、無理に切り取らず、自然に枯れ落ちるのを待つか、株全体の様子を見ながら判断しましょう。
次に、カビが原因となる「立ち枯れ病」について見ていきます。
原因3:立ち枯れ病によるもの
立ち枯れ病の主な特徴は、葉が急激に黄色く変色することです。葉の寿命や葉焼けのように全体が均一に変色するのではなく、部分的に黄色いシミのような症状が現れることもあります。放置すると、次々と葉が黄色くなり、やがて落葉してしまいます。
原因は、湿度が高すぎる環境や、葉の付け根などに水滴が長時間残っていることで、カビの一種であるフザリウム菌などが繁殖しやすくなるためです。
対処法
- 環境改善:まず、株を風通しの良い場所に移し、胡蝶蘭の周囲の湿度を適切に下げるようにします。株元や葉の間に水が溜まらないように注意しましょう。
- 薬剤の使用:市販の殺菌剤(例:タチガレン、リドミルなど)を、変色した部分や株全体に説明書に従って使用します。
- 植え替えの検討:もし変色が根や茎にまで広がっている疑いがある場合は、植え替えが必要になることがあります。植え替えの際には、変色したり腐敗したりしている根や茎の部分を清潔なハサミで丁寧に取り除いてください。
次は、細菌が原因となる「軟腐病・褐斑細菌病」についてです。
原因4:軟腐病・褐斑細菌病によるもの
これらの病気では、葉に黄色や茶褐色の、水が染みたような斑点が現れるのが特徴です。斑点は次第に拡大し、その部分がブヨブヨと腐敗していきます。進行が早く、悪臭を伴うこともあります。
主な原因は、高温多湿の環境下で、葉の表面にある小さな傷口などから細菌が侵入し、感染することです。
対処法
- 環境改善と隔離:まず、高温多湿の状態を解消するため、胡蝶蘭の生育に適した温度・湿度の環境(風通しの良い場所)に移します。他の株への感染を防ぐため、病気が疑われる株は隔離しましょう。
- 患部の除去と消毒:変色し腐敗している部分を、健康な組織を含めて大きめに、清潔なハサミで切り取ります。切り取った部分とその周囲には、「スターナ」や「ナレート」といった細菌性の病気に効果のある市販の消毒薬を塗布または散布します。
次に、カビが原因のもう一つの病気「炭そ病」について見ていきます。
原因5:炭そ病によるもの
炭そ病は、葉に小さな淡い黄色や茶褐色の斑点が現れることから始まります。これらの斑点は次第に大きくなり、やがて黒っぽく変色し、病斑部がややくぼむこともあります。
原因は、直射日光による葉焼けなどで葉が弱っているところに、カビの胞子が付着して感染することです。高温多湿で風通しが悪い環境も発生を助長します。
対処法
- 環境改善:まず、直射日光の当たらない、風通しの良い場所へ移動させます。
- 患部の除去と殺菌:症状が出ている斑点の部分を、周囲の健康な部分も含めて少し大きめに切り取ります。その後、切り取った部分とその周囲に「ダイセン」や「ダコニール」といった市販の殺菌剤を塗布または散布します。
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フィルグリーンの胡蝶蘭は障がいを持った方々が栽培しています。
最後にまとめです。
葉が黄色くなる主な原因と対処法 一覧
- 寿命による場合:下葉が一枚だけ徐々に黄色くなり枯れていく。特別な対処は不要で、自然に枯れ落ちるのを待つ。
- 葉焼けによる場合:直射日光が原因。葉が黄色や茶色、黒っぽく変色。すぐに日陰に移し、変色部が小さければ切り取る。
- 立ち枯れ病による場合:カビが原因で葉が急に部分的に黄色くなる。風通しを良くし、薬剤(タチガレン、リドミル等)を使用。重症なら植え替えも。
- 軟腐病・褐斑細菌病による場合:細菌が原因で水浸状の斑点から腐敗。高温多湿を避け、患部を大きく切り取り消毒薬(スターナ、ナレート等)を使用。
- 炭そ病による場合:カビが原因で黒っぽい斑点が発生。日陰に移し、斑点を大きめに切り取り殺菌剤(ダイセン、ダコニール等)を使用。
いかがだったでしょうか?
胡蝶蘭の葉が黄色くなる原因は様々ですが、それぞれの症状を正しく見極め、適切な対処を行うことが大切です。この記事で紹介した情報が、皆さまの胡蝶蘭を健康的に、そして長く美しく育てるための一助となれば幸いです。